歯周病は、細菌の感染によって引き起こされるゆっくりと進行してしまう炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の 清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり腫れたりしますが、慢性であるがゆえに、“痛み・腫れ”などの、はっきりとした自覚症状が非常に乏しいです。ゆくゆくは全身疾患にも影響を及ぼしている事も分かってきています。
多くの方は、受診されるまで 歯周病の存在に気がついていません。そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり 、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
まずは、痛みなどの自覚症状がなくも、歯周病の検査を定期的にすることをお勧めいたします。
この15年の間に、歯周治療は急速な進歩を遂げました。以前は「不治の病」とさえ言われていた歯周病も、現在では予防でき治療も可能です。
大切なのは
“予防”、“診断”、“治療”、そして“メンテナンス”
歯磨き指導
歯周病の原因は歯垢ですから、それを溜めない増やさないことが基本です。そのために歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておくことが何より大切なことです。正しい歯ブラシ法を実行しましょう。
歯石除去
歯石を完全に取り除き、さらに根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を徹底的に除去しましょう。
歯周外科
ポケット内で細菌が生息し、ブラッシングで除去できない状態の場合や歯周病の進行が進んでしまった場合は、外科的にポケットの深さを減少させる手術をします。
不適合な修復物のやり直し
修復物の適合が悪いとすき間に細菌がたまり、炎症がなくらなかったり再発しやすくなったりしますので、そのような場合はやり直しが必要です。
噛み合わせの調整
噛み合わせが悪いと変な方向に力が掛かり歯槽骨の吸収が進行しやすくなりますので、噛み合わせのチェックや調整を行います。
抜歯
歯周病が進行した歯をいつまでも置いておくと隣の歯まで傷んでくることがありますので、歯を抜くことが必要な時もあります。
メインテナンス
歯周治療が終わっても、歯周病は容易に再発する病気なので、ブラッシング法、歯茎の状態、噛み合わせ機能の定期的な管理が重要です。
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