口臭治療
誰でも、お口のニオイは気になるものです
お口の中が原因の口臭は、口の中の口臭を引き起こす細菌が原因なので、この細菌を無くせば、口臭はすぐに消失します。
もちろん、歯垢・歯石を取り除いたり、不良な被せ物を直すことも口臭を 減少させますが、ターゲットは口臭を引き起こす細菌です。
これを無くせば、一週間以内に口臭は消失します。
口臭予防:口臭の原因と対策
口臭の原因には様々なものがありますが、その原因の90%以上はお口の中の細菌が産生する「揮発性ガス」というものです。
この「揮発性ガス」を抑えるためには、「唾液の量」と「お口の衛生状態」が特に重要になりますが、その他にも虫歯・歯周病や、食品、全身的な病気なども口臭の原因になりえます。
また、実際には口臭が無いのに、本人が気にしすぎるために口臭があると感じてしまう「自臭症」も、かなりの割合で見られます。
まずは口臭の原因と対策について、正しい知識を身に付けましょう。
主な原因
原因1:唾液の量が少ない
唾液にはお口の中の洗浄・殺菌作用があり、揮発性ガスを産生する細菌の増殖を抑制するので口臭を予防する効果があります。ですから、お口の中が唾液で潤っていると、口臭の原因である揮発性ガスが放散するのを唾液が防いでくれるので口臭が抑えられます。
唾液の量が少なくなるのは、以下のようなときです。
- 疲れていたり体調不良の時
- ストレスを感じている時
- 緊張している時
- 薬の副作用
- 加齢。(唾液腺という組織が萎縮し、唾液の出る量が減ります)
- 口呼吸。(鼻炎で鼻が詰まっている人や、歯並びの悪い人に多く見られます)
- 食事の時によく噛まない
- ビタミン剤の過度の摂取
1~5に関してはどうしようもない部分もあるので、歯を磨いたり口臭を防ぐ食品を利用するなどの方法で対応しましょう。
6の口呼吸は、鼻炎などで鼻が詰まっている場合は鼻炎の治療を優先して行う必要がありますが、単に口で呼吸をするのが癖になってしまっているだけの場合には、意識して鼻で呼吸するようにすれば改善できます。
7や8も意識して改善することが出来ます。
<唾液の量を増やす方法>
- 水分を十分に補給する。(唾液が作られるために必要です)
- よく噛んで食事をする
- 舌先で舌の付け根あたりを刺激する
舌の付け根には舌下小丘という唾液の出る所があり、そこを舌で刺激することで唾液が出る量を増やすことが出来ます。唾液が出にくい人は最初はなかなか唾液が出ませんが、一度唾液が出始めるとその後はしばらく出やすくなります。
唾液の出にくい人の場合には、上記の方法で唾液が出たらすぐに飲み込んでしまわずに、お口の中全体を出来るだけ潤った状態にしておくように心がけて下さい。
※唾液の量を増やすことは口臭予防だけではなく、虫歯や歯周病予防にも効果があります。特に3番は簡単に出来る上効果も絶大ですので、ぜひ一度試してみて下さい。
原因2:口の中が不衛生
お口の中が不衛生だと細菌の数が多くなり、産生される「揮発性ガス」の量も多くなるため口臭がきつくなります。
対策としてはもちろん歯を磨くことですが、むやみやたらに何回も歯を磨いても口臭を予防することは出来ません。これは虫歯や歯周病予防に対しても言えることですが、ポイントは最低1日1回徹底的に歯磨きをすることです。
「舌苔(ぜったい)」を絶対取りましょう!
舌苔とは、舌の表面に付いている白っぽいもののことで、これは細菌や食べカス、死んだ白血球などの集まりです。(舌苔がほとんど付いていない人もいます)
この舌苔も口臭の原因となるため、歯を磨く際には舌も一緒に磨くようにすると口臭の予防に効果があります。
ただし、舌を磨く際には磨き過ぎないように注意してください。その理由は、いくらきれいに磨いても舌苔はまたすぐに付きますし、舌はデリケートで傷付きやすいためです。
また、舌専用のブラシもあり、これは舌を傷付けにくい構造になっているのでおすすめです。
原因3:虫歯や歯周病
虫歯があったり、歯周病になっていたり、合っていないクラウン(かぶせものの歯)や詰め物などがお口の中に入っていたりするとプラークコントロールをしっかりとすることが出来なくなり、その結果お口の中が不衛生になって口臭が出てきてしまうことがあります。
このような場合には、虫歯や歯周病の治療、良くない歯科治療の部分の再治療などをしない限り口臭も改善しません。
虫歯は自分で気が付く可能性が高いですが、歯周病や歯科治療の良し悪しは歯医者さんに診てもらわなくては分からない場合がほとんどです。そのため、口臭がなかなか改善しない場合には一度歯科医院へ行ってこれらのチェックをしてもらった方が良いでしょう。
また、これらの治療をすることは口臭だけではなく、歯そのものを守るためにも重要です。
原因4:自臭症
「自分は口臭がひどいから何とかして!」と歯科医院へ来る人の約3割は、実際には口臭が全然ひどいわけではなく、本人がそう思い込んでいるだけの「自臭症」というものです。
これは口臭に対して神経質になりすぎていたり、ある時に友人や家族から口が臭いと言われたのを気にしすぎるあまり起こるものです。このような人は口臭についての正しい知識を身に付け、口臭に対する恐怖心を克服することが一番大切になります。
まず、口臭は誰にでもあるものだということを認識しなければなりません。
口臭が無いとされる人の場合でも、口を鼻を近づけて「ハァ~」とやれば少なからず臭いはします。(臭いが全くしないのならば、鼻の方に問題があるかも知れません)
また、普段は口臭が気にならない人でも、その人の状態によっては一時的に強い口臭が出ることがあります。具体的には朝起きた直後、臭いの強い食品を食べた時、疲れている時、緊張している時などで、このような時に「口が臭い」と他人に言われたことを気にしすぎるあまり自臭症になってしまったケースも多いのです。
自臭症の人は口臭のメカニズムを理解して、こういう場合に多少口臭が出るのは仕方の無いことだとある意味開き直ることが必要です。
ただ、開き直りすぎて周りから「あの人、口くさ~」となるのも困るので、正しい口臭対策の方法も合わせて理解するようにしましょう。
原因5:全身的な病気が原因
糖尿病 | 甘ったるい臭い、アセトン臭 |
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肥満 | 甘ったるい臭い、アセトン臭 |
肝・腎不全 | おしっこのような臭い、アンモニア臭 |
胃潰瘍 | おしっこのような臭い、アンモニア臭 |
胃腸不全 | 食べたものがなかなか消化されず、口臭や体臭の原因となる |
アセトン臭やアンモニア臭は独特のため、経験豊富な医師や歯科医師は臭いを嗅いだだけで病気を予測することが出来る場合もあります。
プラークコントロールや唾液の量に気を付けているのに口臭が改善しない場合には、このような全身的な疾患を疑う必要があるかも知れません。
原因6:口臭の原因となる主な食品
- アルコール
- にんにく
- ねぎ類
- 唐辛子などの香辛料(カレーなども含む)
- コーヒー
- タバコ(食品?)
以上のような食品を摂取した場合には、基本的には口臭を防ぐことは出来ません。
(にんにくに対しては、牛乳を飲めば多少口臭を抑えることは出来ます)
<口臭を防ぐ主な食品 >
- ガム(唾液の分泌を促進します)
- 緑茶(カテキンが細菌の増殖を抑制します)
- 市販の口臭対策グッズ(様々な種類があり、原理・効果も様々です)
これらの食品は一時的に口臭を予防する効果はありますが、口臭の根本的な解決策にはなりませんので、それを理解した上で有効に利用しましょう。